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Think Hybrid.

Research

体内埋め込み型センサ

【概要】
 たとえば、糖尿病は、放っておけば、脳梗塞や心筋梗塞、失明など重大な疾患を併発するおそれがあるため、血糖値の厳正な管理は必要不可欠です。現在、多くの糖尿病患者は一日数回、指などに針を刺し、血糖値を計測していますが、血糖値は、食事や運動などによって、時々刻々と変動するため、一日数回の計測では、細かい変化をとらえることは困難です。これに対して、センサーを体内に埋め込むことができれば、無意識のうちに連続して情報を読み取ることができます。体内に完全に埋め込んでしまうため、定期的な採血の必要がなく、患者のQOL(Quality of Life)が飛躍的に向上することも期待されている。健康管理を24時間連続しておこなることができる埋め込み型のセンサを研究しています。

ハイドロゲルファイバーによる長期血糖値計測

 血糖値に応じて光の強度を変えるハイドロゲルをファイバー状に加工し、マウスの耳に4ヶ月以上埋め込み血糖値を計測することに成功した。
 このセンサは、これまでに我々が考案した、血糖値に応じて光の強度(蛍光強度)を変化させるハイドロゲルビーズをファイバー状に加工したもの。これまでのビーズの形状は、長期埋め込みを行うと、ビーズが移動してしまうという問題があった。また、計測後に、ビーズを体外に取り出すことも難しかった。そこで、微小径のファイバーに加工することで、長期間、埋め込んだ位置に安定して存在させることができた(写真参照)。また、ファイバーを引き抜くことで、容易に埋め込み部位から取り出すことにも成功した。さらに、このハイドロゲル内に生体適合性のポリマーを混入させることで、埋め込み時の皮膚周囲の炎症を低減させ、皮膚の外からの光計測を長期間行うことができた。実験では、埋め込み後4ヶ月半経っても、ファイバーの位置は変化せず、体内の血糖値に応じて変化する蛍光強度を体外から計測することに成功した。


トレたま(TV東京)
2011年8月11日放送分より

 糖尿病において合併症を防ぐためには、厳格な血糖値制御が必要である。連続計測のために、半埋め込み型のセンサが市販されているが、感染症などの理由から数日おきにセンサを取り替えなくてはならず、長期間の計測は難しかった。
 ここで開発された微小径のファイバー型センサを利用すれば、患者の負担なく体内に低侵襲で埋め込むことが可能であり、睡眠中など、自らが計測することができない場合でも、血糖値が長期間センサを取り替えることなく、自動的に(無意識のうちに)血糖値を計測できるシステムの実現が期待できる。

血糖値に応答する埋め込み用ハイドロゲルビーズ

 血糖値に応じて光の強度を変化させるハイドロゲルを微細加工し、直径100ミクロン程度に揃ったビーズを作成することに成功した。さらに、これらのビーズをマウスの耳に埋め込み、写真(注)のように蛍光を観察することに成功した。また、周辺のブドウ糖の濃度に応じて変化するビーズの輝度を体外から計測することにも成功した。
 糖尿病において合併症を防ぐためには、厳格な血糖値制御が必要である。現在、多くの糖尿病患者は一日数回、指などに針を刺し、血糖値を計測している。しかし血糖値は、食事や運動によって、大きく変動するため、一日数回の計測では、十分な経時的変化をとらえることは難しかった。このため、24時間連続して血糖値計測が行なえる方法が切望されている。
 ここで開発された技術を利用すれば、患者の負担なく体内にビーズを埋め込むことが可能であり、皮下を通して連続して血糖値を計測できる可能性がある。睡眠中など、自らが計測することができない場合でも、自動的に(無意識のうちに)血糖値が計測できるシステムの実現が期待できる。
 本研究は2010年のPNASに公表された。

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